ついにシャムスカ解任、といっても前から監督を代えるつもりはあったんだろうが・・・

 なぜもっと早くに、「最後までやってもらうのか、交代するのか」はっきりさせなかったのか。本当に悔やまれる。Jサポの間でよく言われているように確かに芝の問題もあるが、それと誰が指揮するかの問題を一緒くたにするわけにはいかない。芝の問題は芝の問題、やっているサッカーがよくなく勝てないのは、怪我人が出たことだけが原因じゃないし、単に芝の状態が悪いせいじゃない。芝が良かったら今より格段に走れているのか?そんなことはないだろう。
 原因は監督も含めてフロント、選手等あらゆることにあるはず。もう誰かのせいにしたりしても何にもならないどうにもならないところまで来ているわけだ。それだけに、解任自体は悪いことだと思わないが、このタイミングでの解任は少し残念。正直、「ここまで引っ張ったのなら最後まで行ってくれよ」という気持ちがあった。
 14試合続けて勝ち点ゼロという現状は、シャムスカのような良い監督をもってしても一度ほころんだチームを立て直すのは困難ということを示している。いくら大分が他クラブよりも不利な条件をいくつか持っているといっても、普通はまず考えられないことだ。34試合のうちの14試合、全体の半数近くの試合を勝ち点1も取れずに落とした。常識的に考えて相当異常なこと。しかもそれを連続でやっているわけだから、チームの空気がいいはずがない(ここでいう“いい空気”というのはみんな仲がいいとかではない)。
 将来的なことも考えなければいけない。シャムスカは、シーズン途中で就任した2005年を含めれば今年で5年目になる(まる4年という言い方もあるが)。この大不振がなかったとしてもそう遠くない将来に大分を去っていたであろうことは容易に想像できる。
 シャムスカは戦術家というより、モチベーター。そのシャムスカが大分にもたらしたものは大きいが、クラブはそれを分かっているのだろうか。フロントのこれまでの言動を見れば、シャムスカの“遺産”が受け継がれるとはまず考えられない。実際、大分の監督選びを過去も含めて見てみると、実に一貫性がない。ブラジル路線だったり欧州路線だったり攻撃サッカーだったり堅守速攻型だったり。「別にそんなの大分だけじゃねえよ」と言われればそれまでだが、どうしてこうなってしまうのかと思う。
 大分のようなクラブの場合、補強が次々にできるわけではないのでどうしても既存の戦力を生かすサッカーが基本になるが、要はその戦力の傾向に一貫性がないからだということだと思う。例えば攻撃的な中盤のパサーを放出したなら、同じスケールは無理でも近いタイプの選手を探してくるとか。FWだけがやけに多かった時期もあった。シャムスカが就任してからはそれまでよりも強化部などとコミュニケーションを密に取るようになったせいか、メンバーも大きく様変わりせず、中心選手は(途中ボランチ外人が馴染まず失敗したことはあったが)大きく変わることがなく、堅守速攻のカラーで定着することができた。
 シャムスカありがとうポポヴィッチ、いばらの道だががんばれ
 とりあえず、「降格したくない」を「消滅」という言葉で表すのはやめにしようや。くっだらねえよ(2回目)